「NPO法人で起業したい」
いわゆる社会起業、というものをご検討されていらっしゃる方は少なくないと思われます。
起業の手段としてNPO法人を活用される方について、この組織をどのようにご活用していくかどうかについて説明をさせていただきますと、
・ニーズで起業アイデアを考える。
基本的にNPO法人による起業はこのアプローチで行うのが一般的です。
起業をされるにあたって、マーケティングというものを多かれ少なかれされると思われます。あるいは専門家のご指導の下、ビジネスプランの作成をされることもあるかもしれません。
今では自分自身、起業家の方に知識をお伝えさせていただいておりますが、以前はもちろんのこと、今でも多くの専門家の方々から多くのご指導をいただいております。
その中で「ビジネスアイデアをどのように考えるか?」というのがございます。
・好きなことをビジネスにする
・多くの人が必要と思われるものをビジネスにする
・既に成功しているビジネスモデルを改良する(もしくは別分野にアレンジする)
様々なアイデアの発想法がございますが、基本的にNPO法人におきましては「多くの人が必要と思われるものをビジネスにする」のケース、いわゆる「ニーズ発想法」が多くを占めるといえます。
というのも、基本的にNPO法人、すなわち同法人の根拠法令たる特定非営利活動促進法が誕生したのはそもそも阪神淡路大震災(1995年)をきっかけとして、民間の災害救助活動組織が必要であるとの要請に基づくものでした。
ただし、民間におきましては消防署等と異なり、救助活動のレベルが一定でないこと、及び活動資金の調達やサービスの提供等にばらつきがあることなどから、法人として平時よりの活動が要求されることから、法人組織、すなわち特定非営利活動法人(NPO法人)としての組織が誕生したことがそもそもNPO法人のはじまりです。
このように、
・災害が起きた際には民間でも救助活動、それも一定のレベルでサービスの提供できる組織が欲しい。(*法人格が付与されていることにより、一定のレベルが存在しているという信頼が維持できます)
これは市民のニーズから発生したものであるといえるでしょう。一般にNPO法人として活動を行うにあたっては特定非営利活動促進法に定める17分野に該当することが要件となります(内容はここでは割愛させていただきます。詳細な内容はNPO法人設立に関する準備項目を参照していただけますと幸いです)
いずれも市民の、あるいは地域社会のニーズに基づくものです。例えば、
・ゴミの不法投棄がされているが誰も片付けない。誰か清掃美化活動をしてくれないのか?
・外国人居住者とのコミュニケーションがとれない。交流活動の場は設けられないのか?
・パソコンが使いこなせなくて困っている。誰か教えてくれる人はいないのか?
・悪徳商法の被害者が後を絶たない。誰か知識を伝えてくれる人はいないのか?
・独居老人の孤独死を確認できる手段がない。確認、あるいは日頃のコミュニケーションの手段はないのか?
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「地域、あるいは社会全体の問題があり、それを解決する」
基本的にNPO法人としての活動の趣旨はここにあります。問題の所在は、ある地域特有の問題なものかもしれません(保育所不足、過疎化等)あるいは社会全体の問題かもしれません(消費者の保護、介護問題等)
もし貴方がNPO法人を起業されるとした場合、その地域には該当する問題が存在されているでしょうか?いわゆる独居老人の問題を解決するのだとすれば、当然ながら高齢の単身者が多い集合住宅等が多い地域等を中心に活動する、もしくはそのような地域に向けて情報を発信する必要がございます。
あるいは保育所の問題であれば、いわゆる待機児童(*保育所の定員枠に収まらず、自宅で保育所への通所を待機している児童)が多くいる地域、即ち大都市圏内で活動するのが原則です。
どのような問題が存在し、かつどのようなニーズが存在するか?
もちろん、ニーズもしっかりと把握する必要がございます。阪神淡路大震災の場合、公的機関(警察、消防署、自衛隊等)の活動範囲が及ばない地域や活動内容において民間組織の必要性が求められたことがNPO法人の誕生へとつながりました。
例えば高齢者にパソコンを教える、という場合において、IT系の資格取得を目指す方は基本的にいらっしゃいません。当然ながらそれらに沿ったカリキュラムを組むべきではないでしょう。あくまで楽しくパソコンを覚えてもらい、日常生活の一部としてパソコンを利用してもらう環境を整えることが大事です。
当たり前の話ですが、このようにニーズを無視してしまうケースというのは決して珍しくありません。他にも消費者の保護というケースにおきましても、いわゆる悪徳商法の被害者がいた場合は可能な限り救済措置をとる。あるいは悪徳商法の存在が確認された場合、被害者が発生しないように啓発に努める。といったことが必要なのであって、全ての人間に対して法律系の資格を取得するよう教育するという必要はないといえるでしょう。
結局、NPO法人による起業において重要なことは三つ
・問題を把握すること
・ニーズを把握すること
・及びこれらの内容に対する解決策を提示すること
以上の三つとなります。通常のボランティアでも活動ができないわけではありません。しかしこれらを法人格を付与される形で活動することにより公的な信頼、そして法人格を得たことにより収益活動、及び支出を経費として計上することが可能となるため、事業として継続して行うことが可能となるわけです。