内容証明作成郵便の主な目的は証拠保全です。
「○○(個人ないしは組織)は××(個人ないしは組織)に対し、△△という旨を伝えた」
こういった内容を、客観的に証明できるような状態にしておくものです。
例えば「○○を要求します」「××を要求します。もし認められないのであれば法的措置を検討します」といった記載内容になるのが多く見られます。
割と誤解されているケースがあったりするのですが、「内容証明郵便を送りつけると、何か相手を威嚇できる」「あわよくばこちらの要求を一方的に押し通せる」と思われる方がいらっしゃいます。
しかし現実問題として、これは「証拠保全」であって、あくまで第三者に対して「証拠能力」を有するための手段であるに過ぎません。
また、この「証拠能力」というものに対しても厳密に申し上げますと誤解されていらっしゃる方がいらっしゃいます。
・証拠=法廷の場(裁判)において提出すべきもの
という考え方です。
むろん、裁判において証拠の有無、あるいはその信ぴょう性というものは大変重要です。
「相手方に対して請求をした」「相手方から通知を受取った」このような証拠を示すためのものとして内容証明郵便は大変重要な「証拠物件」であり、多くの場合において利用されております。
しかし、これは内容証明郵便の一活用手段に過ぎません。
・内容証明郵便は、裁判外であっても活用する場が存在します。
最初に申し上げましたように、内容証明郵便は証拠保全を目的としたものです。これによって自らの立場を明確にしたり、あるいは当事者の立場を第三者に説明する。そのような行為を目的とすることにも利用できるということです。
例えば、
「内容証明郵便を送付した、しかし相手方は全く請求に応じる気配がない」
このような場合、法的手段、すなわち訴訟手続きに移行するというのが考えられるのですが、必ずしもそうはいかないケースというのが少なくありません。
例えば弁護士費用が過大になるケースというのが考えられます。
もしも相手に請求する金額が200万円程度である場合、裁判になったとします。仮に全面勝訴が認められたとしても、弁護士に支払う報酬はかなりの額に上ります。
裁判の内容(期間、契約内容)や弁護士事務所の対応にもよるのですが、1万円や2万円で済まされるとケースはまずなく、最低でも数十万円。場合によっては100万円をオーバーしてしまうというケースも否定できません。
そうでなくとも、裁判に関わるというだけで精神的な負担は相当なものです。そうなりますと、裁判そのものに二の足を踏んでしまうというケースが珍しくありません。
このような場合、内容証明郵便を送付するというケースが考えられます。
ただし、こういった場合であっても相手方から返金がされるケースは決して多くありません。
では、なぜ、にもかかわらず内容証明郵便を送付する必要があるのかといいますと、ご本人に貸したお金(債権)があること、並びに相手方が債務者であるという証拠を第三者に対し、客観的に示す必要があるからです。
もしも事業者であれば、資金繰りが悪化した場合、相手方の不払いが原因であるのか、それとも自らの経営が悪化しているのかというのは重要な問題です。
これを客観的に第三者に示す場合、内容証明郵便は有効な手段だといえます。
むろん、その場で返金がされる。ないしは弁済のため、債務者との話し合いがされる、というのであればそれがベストな選択肢だといえるのですが、なかなかそういったケースに至らないケースが多かったりします。
こういった状況を第三者に説明するためには、まず内容証明郵便が「現状説明」としての役割を果たします。
更に、この内容証明郵便を第三者、すなわち行政書士等に作成頂くことで、こういった状況が「客観的に第三者に説明できる内容であること」を二重に証明することになります。
内容証明を作成する。もしかしたら書式集を買う。場合によってはネット上で書式例を見て、そのまま使う、ということも可能ではあるかもしれません。
しかし実際に第三者に対し、証拠価値のあるものとして利用するという意味では、単に文面だけを真似するのではなく、その作成の過程に対しても注目をしていただけますと幸いです。